研究・技術計画学会
第27
回年次学術大会一般講演募集要領


 来る10月27日〜28日、一橋大学国立キャンパスにおいて開催される第27回年次学術大会の一般講演募集要領は以下のとおりです。

1.講演発表の内容

(1)課 題

1)恒常イシュー

 科学技術の経営や政策に関わる課題の他、研究.開発の計画・立案・調査・管理・評価等、および関連する人材・組織・社会等に関する研究報告、事例報告。
 以下の中から、発表内容カテゴリーの第一、第二希望を選んでください。ただし、選択された以外のカテゴリーでご発表いただく可能性もあります。

(1) 産官学連携 (2) 地域科学技術研究 (3) 分野別のR&Dマネジメント (4) 科学技術政策と政策論 (5) 科学技術のグローバリゼーション (6) 国際競争力・産業競争力 (7) 技術経営 (8) 科学技術と社会・倫理問題 (9) 科学社会学 (10) 知的財産権 (11) 科学技術と大学 (12) 評価 (13) 戦略形成 (14) メトリクス (15) 技術進歩の経済分析 (16) 研究開発システムとモデル (17) 人材問題 (18) 標準化 (19) ナショナル・イノベーション・システム (20) 公的資金配分機関のマネジメント (21) ベンチャー経営と政策 (22) その他(具体的に記述してください)

※ 恒常イシューにおいて要旨作成・スライド作成・口頭発表のいずれも英語で行う場合は、上記の22のカテゴリーの中からいずれかを選択した上で、「English Session 希望」の「有」を○で囲んでください。ただし、ご希望者数によっては、English Session が成立せず、日本語のセッションの中に組み込ませていただく可能性もあります。

2)ホットイシュー

 ホットイシューとして、今次大会は特に次の7つのテーマに焦点を絞ります。毎年継続して実施している研究報告・事例報告などは恒常イシューとし、ホットイシューでは、以下のテーマについて、産官学それぞれの立場からの研究発表を期待いたします。

A) 東日本大震災による製品開発マネジメントの変化
 大震災における工場の被災により、サプライチェーンにおけるリスクマネジメント、事業継続の観点が改めて注目されるに至った。また、農水産業の被害の大きさから、新たに雇用を生み出す新産業の創出も期待される。これらのことを踏まえて、今後、製品開発のみならず、材料調達から出荷まで全体に対して、期待される新たなマネジメントのあり方について、広く議論を進めたい。

B) 標準化と国際分業─日本における政策・戦略検討のための実証研究の展望
 標準化は産業・分野、国・地域、企業の間での相互補完や協調を引き出し、新興国を含む国際分業を促す。海外においては、標準化によって国際分業をリードし続けられる保障はないことを前提に、国・地域や企業が目指すべき政策・戦略が多様な観点から検討されている。こうした傾向は、多角的かつ体系的な実証研究に支えられながら、複雑化する次世代産業(EV、ICT、グリッド等)の展開にも受け継がれている。この点をふまえ、本ホットイシューでは、標準化と国際分業に関わるわが国の政策・戦略を検討していく上でより厳密に実証研究を進めるべき課題を取り上げ、幅広い観点から議論したい。

C) サービスイノベーションの新展開
 サービスは従来の「タダ」、「モノではないもの」といった捉え方を超え、新しいサービス概念、「提供者と受容者の価値共創」として捉えられるようになった。モノづくりの要素の中にサービスの考え方を導入し、新たな価値を創出する製造業のサービス化や、スマートシティなど社会インフラとサービスを統合した事業が進められている。しかし、コンセプトレベルではどこも同じ、具体レベルでは既存のシステムを繋げただけで、統合による革新的な効用が必ずしも明確でないケースも少なくない。サービスの持続可能性を考慮しつつさらなる経済成長のための視点として、モノ・サービス一体化の考え方を導入しイノベーションに挑戦するための理論、戦略・分析・デザイン・実行・評価・革新における課題などについて理論的、実践的研究をもとに議論する。

D) 地域イノベーションの促進と産学官連携コーディネータの役割
 地域に根付く中小・中堅企業をベースとしたイノベーション(新製品の事業化、新事業開発等)は地域経済の活性化に止まらず、我が国経済の健全な成長にとっても欠かせない(国家戦略会議 平成24年3月2日)。中小・中堅企業のイノベーションにとって、産学官連携はきわめて有効な手段と考えられ、実際に成功例が増えてきている。その中で産学官の仲介役としてのコーディネータの果たす役割は大きい。本ホットイシューでは産学官連携によるイノベーションの成功事例・失敗事例やコーディネータの活動実績を集め、研究・技術開発(in)から新商品開発・新事業創出等(out)までを実現出来る地域イノベーション政策のあるべき姿について議論を行いたい。

E) リサーチ・アドミニストレータ(URA):大学等における研究マネジメント組織・戦略の再構築と専門人材の育成・定着
 わが国の大学等における研究活動の一層の拡充・活性化・高度化、及び結果としての社会貢献を図る上で、研究マネジメントを専門とする組織・戦略の再構築と、それを担う専門性の高い人材(リサーチ・アドミニストレーター:URA)の育成・定着が求められている。
 既に各大学等では多様な取組みが始まるとともに、URAに求められる役割や専門スキルの標準、育成のための教育・訓練プログラムの開発も進められている。先行研究開発の撤退事由を精査し、検証してきたことを踏まえ、今後の大学等における研究マネジメントの在り方とURA組織の位置づけ、URA組織の機能・形態、専門人材としてのURAに求められる能力とその評価手法、URA人材の教育訓練手法、職能集団化の可能性等、URAに関する諸課題について、わが国における多様な取組み事例の調査・分析研究、米国・欧州の先行事例との比較研究等を進めることにより、わが国に適したURA機能の在り方、制度の構築・定着に向けた議論を進める。

F) ビッグデータ活用によるイノベーションと政策的課題
 購買行動のリアルタイムデータ、自動車の位置情報、医療情報、生物資源情報など、あらゆる情報がデジタル化され、それらのデータ量はこの数年で飛躍的に増え、“ビッグデータ”と呼ばれている。解析技術やインフラの向上と共にビッグデータの分析が可能になり、社会システムが劇的に変わりつつある。海外では、それらを活用した新しいビジネスモデルも構築されてきている。一方、個人・企業・公共情報の取り扱いや活用の範囲などについて、懸念の声もあがっている。本ホットイシューでは、国内外で始まりつつあるビッグデータの蓄積・分析・活用が個人、社会、経済、政治、法律、産業、技術、文化に影響を与えて新たなイノベーションを生み出す効果とともに、その影響・効果に関連する種々の政策的課題について議論し、世界に先駆けたビッグデータの新たな社会的活用を提案できる場としたい。

G) 「科学技術イノベーション政策の科学」実践のコミュニティ構築および持続的発展に向けて
 「科学技術イノベーション政策の科学」の発展には、多様な学術分野の研究者、政策担当者、研究機関や産業界等の実務者等がコミュニティを形成し、相互に連携することが求められる。これが新たなディシプリンの生成のみならず、社会の要請を十分認識しながら、柔軟で持続的なネットワークを構築する必要がある。そこで、(1)個別研究の進捗や成果ではなく、そのような研究成果のイノベーションや政策への実装プロセス・システムについてのメタレベルな分析、(2)新たな学問分野の研究者や新たな課題領域の政策担当者・産業界等の実務者との連携の試み及びそれに対する評価、(3)実践のコミュニティの持続的発展に向けた場の構築や人材の育成に関する新たな提案、などを募集する。

(2)発表内容は、最近の研究で未発表のものを原則とします。一部既発表のものを含む場合は、未発表部分が主体となるよう御配慮ください。

(3)発表時間は講演時間12分、討論3分(ホットイシューは講演時間15分、討論はセッション最後にまとめて行う)を予定しています。

(4)ホットイシューは発表の集まり具合を見て、それぞれの内容に関してさらに特定のテーマに絞る場合があります。また、一部の発表は恒常イシューに移させていただく可能性がありますので、ご了承ください。

(5)当日使用できる機材はパソコンからのプロジェクター投影のみです。次の点にご注意ください。

・Windows用に限ります。使用ソフトは、「Windows版 Microsoft Power Point」か、「Windows版Adobe Acrobatで保存されたPDFファイル」に限ります。ソフトウェアのバージョンについては別途通知します。
・ファイルは、当日USBメモリにてご持参の上、発表前の休憩時間に各自パソコンへのセットをお願いいたします。(パソコン・プロジェクターは会場に用意されています。)
・ファイルの文字化けや破損などについては、研究・技術計画学会では責任を負いません。
・アニメーションはバージョンによりうまく動かない可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
・OHPは使用できませんので、ご注意ください。

(6)後日、要旨集に掲載する原稿をご提出いただきますが、この原稿の著作権は本学会に帰属することをご了承ください。ただし、著者ご自身が学術活動にご使用になることにつきましては、何ら問題ありません。
 講演要旨原稿提出の締切日は9月17日(月)です。8月上旬に原稿執筆要領・テンプレートを学会HPに掲載します。講演番号は8月下旬にお知らせいたします。
 要旨集はCD-ROMにて配布いたします。原稿はA4サイズ、ページ数は原則として4ページ以内ですが、必要があれば6ページまでは受け付けます。
 お申し込み時の講演題目・講演者名(共同講演者を含む)の、原稿提出段階での変更はできませんのでご注意ください。

2.発表資格
 登壇者は、2012年8月6日時点で本学会の会員資格を有する方(法人会員およびグループ会員の準登録者を含む)に限ります。発表件数に制限はありません。
 新たに入会して発表を希望される方は、2012年8月6日までに、平成25年度(2012.10.1〜2013.9.30)分の会費を納入し、入会手続きを完了させていただく必要があります。

 入会案内・申し込み方法につきましては入会案内をご参照ください。

3.申込み方法
 第27回年次学術大会一般講演申込書 [pdf版] [word版] に必要事項を記入の上、学会事務局宛にファクシミリまたは郵送あるいは同様の必要事項をE-mailでお申し込みください。用紙はコピーでも結構です。

申込締切日 「ホットイシュー」「恒常イシュー」ともに 2012年8月6日(月)必着

申 込 先

〒135-8473 東京都江東区深川2-6-11
富岡橋ビル4F 財団法人未来工学研究所 気付
研究・技術計画学会 事務局
TEL/FAX: 03-5620-0577
E-mail: office@jssprm.jp